借金返済物語

カードローンや消費者金融などで膨れ上がった借金を返済するに至った体験談を掲載!

信じた人に裏切られ、借金を背負った体験談

詐欺師に騙され、カードローンで借金してまで貸したお金が返ってこず…。【詐欺師騙され体験談】

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20代のころ、よく足を運ぶ小さな飲食店がありました。

一人暮らしで若かった私には、毎日会社と自宅の往復というつまらなかった毎日から抜け出せる場所でした。小さな飲食店なのでお客さん同士顔見知りになって話すようなこともあり、家庭のような暖かい場所でした。

そんな常連さんに加わったのが、「社長」と呼ばれる「宮島(仮名)」という60代か70代の男性です。

アパレルの貿易関係の会社をしているといい、いつも色々な食事をほかの常連さんに振る舞う太っ腹な印象の方でした。宮島には心臓疾患があり、お酒を少し飲み過ぎて倒れたことがあり、おじいちゃんを見守る気持ちで接していました。

また、宮島は私たち常連を、宮島の行きつけのスナックにも連れて行ったりしました。宮島がスナックのママに、お誕生日プレゼントだと言って、高級ブランドのお財布をプレゼントしているところを見て、こういう世界って本当にあるのねと、お金持ちの宮島をうらやましく思いました。

 

最初はプレゼントをひたすらもらう

宮島は私を気にかけるようになり、仕事で行った先のお土産を頻繁に持ってくるようになりました。「食事に行こう」と連絡をくれるようになり、高級料亭やホテルのレストランで食事をするようになりました。当時自己啓発に傾倒していた私は、宮島のようなお金持ちになりたいと思い、宮島の行動を真似ていよう思い、誘いは断らないようにしました。

どこのお店に行っても、宮島は「いつもありがとうございます」とおかみさんに言われ、親しく話しをしているので、宮島の地元ではないにも関わらず、顔が広い人なんだなと驚きました。また、百貨店のブランド店の店員とも親しく、百貨店も地元ではないのに、さすがアパレルの会社をやっているから百貨店の方はよく知ってるのだろうかと、私は本気で思い込んでいました。今思えば、お客様に合わせることは接客の基本です。

宮島には病気で亡くした娘がいると聞いていた私は、娘にしてあげたかったことをしているだけと言われ、鵜呑みにしてしまいました。宮島はいつも食べるのに困らないくらい、食事に連れて行ってくれました。父を早くに亡くした私は、宮島を父のように思うようになり、恩返しをしなくてはと思うようになっていました。

知り合って3年ほど経った頃、車で宮島との待ち合わせに向かう道中、私は追突事故を起こしてしまいました。待ち合わせに遅れるか、今日は行けないと電話をすると、宮島は事故現場にタクシーで駆けつけました。心細かったので安心したのを覚えています。

事故処理が済み、こんな壊れた車じゃ大変だからと、宮島の会社の取引先だという車修理の専門店へ宮島は私の車を運ばせました。さらに、取引があるというレンタカー会社に連れて行き、セダンを借りました。車が直るまでこれに乗っていなさいと借りてくれたのですが、ありがたいよりも、情けなくて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 

今が、恩返しの時だ……!

事故の翌日、土曜日のことでした。宮島に車の調子はどうか?元気を出しにおいしいものでも食べようと呼び出されました。宮島と会うと、顔色は悪く調子が悪そうな雰囲気で、持病があるし大丈夫かなと心配で、どうしたのか尋ねました。「実は相談があるんだが」と宮島は話し始めました。

「東京の大事な社長仲間が、今日お金を払わないと破産するんだ。助けたいが、自分のメインバンクは土曜は送金ができない。キャッシングも考えたが自分は事業主なのでできない。・・・お願いだ、必ず私が返済するので、お金を借りてくれないか、現金で東京に運ぶ」突然の宮島の申し出、しかもお金のことで私に頼るなんてと驚きましたが、これで恩返しができるならと、引き受ける返答をしてしまったのです。

何の疑いもなく、キャッシング会社Aの無人契約機へ入りました。勤務先は宮島が行きつけのスナックにするようにと言われ、渡されていたスナックの名前と電話番号のメモを見ながら契約を進めました。すんなり契約は進み、50万円の初めての借金をしました。

次から次へとキャッシング会社の店舗へ促され、B社から30万円、C社から20万円、計3社から100万円の借金をしました。でもB社は、最初の借金をした週末を挟んだ月曜に、C社は水曜に行ったのです。宮島のメインバンクのM銀行がいま凍結されて自分が生活するお金までないと言われて、慌ててまたお金を用意することになったのです。

そんなありもしないことを信じるなんてと、今なら考えられるのですが、若くて無知だった私は人助けしたい一心でした。親からは「馬鹿正直すぎる」「人を疑うことを知らない」と、よく言われました。この時もまさにその通りでした。

4社目のDからはやんわりお断りされ、5社目では強面の中年従業員に、「あなた、借り回っているね、何してるのか怪しくて貸せないよ」と指摘をされてしまいました。それでも、まだ自分の借金という意識がなく、これは宮島を助けるための宮島の借金だと信じ込んでいました。

 

お金を用意できない人間は用済み?

宮島の運転手の「山際(仮名)」という定年退職して宮島の運転手をしているという男が運転する車で、宮島が指定するキャッシング会社を手当たり次第回りました。山際は信頼できる男で、宮島は山際の前では何を話しても大丈夫だと言っていました。私に借金をさせていることに、山際が口を挟むこともありませんでした。

どこの会社も私にお金を貸してくれるところはありません。山際の車に戻り、私はもうお金を借りれないようだと宮島に伝えました。私という人間を使い切って、次のステップに移るような雰囲気を感じました。

すると宮島は、私に数枚の顔写真と手紙を渡しました。手紙には、借金は必ず返すことと、また慰謝料をM銀行より送金すると、具体的な日時が記され、重厚な印象の印鑑が押してありました。運転手の山際に、証人としてサインをさせました。

宮島は、万が一宮島と連絡が取れなくなるようなことがあった場合には、その手紙と顔写真を持って警察に行くようにと告げました。自分で顔写真を警察に突きだせという人が、逃げたりするはずがないと勝手に思い込んでしまいました。安心感すら覚え、山際の車を降り、見送りました。

それまでに何度か乗せてもらっていた山際の車でしたが、見覚えがあるステッカーに気がついたのです。私が借りていたレンタカー会社のステッカーが車に貼ってあるのです。ナンバーを見ると「わ」のナンバー(レンタカー)でした。

冷静に考えて、腑に落ちないことでいっぱいになってきました。定年退職したという山際が、宮島に使われている理由は何故なのか。ようやく、何かがおかしいのではないかという気持ちが動き出しました。

 

信じた人を疑い始めた日

宮島はキャッシングの返済のためのカードを持ったまま、「出張」に出ました。借金は返してくれている様子でした。週に1度ほど、今はどこにいてなにをしているという連絡があり、それがずっと続いていくと信じて疑いませんでした。

数週間後、私の車の修理会社から連絡が来たのです。だいぶ前に修理が終わっていて、すべての連絡は宮島にするようにと言われていたそうなのですが、連絡が取れないというのです。修理代の支払いと車の引き取りをお願いしたいのですが、という連絡でした。

私の車の修理代は、私が払ってしかるべきです。しかし修理会社からの「宮島と連絡が取れない」という報告で、もしかして、宮島はいろいろなものから逃げているのではないかと、疑い始めるようになったのです。請求連絡が来たことを宮島に伝えると、修理代はひとまず立て替えるようにと命令口調で言われました。

そういえばこの人はいつも命令する。きっとまたお金の無心をされることがあるかもしれない。私に恥ずかしくて愚かな金策をさせておいて、いまだ命令口調でものを言う宮島に、怒りがふつふつと沸き始めました。

次に電話が来た時は、私が持っているクレジットカードのキャッシングでお金を引き出し送金するようにと言われました。「あんたそういってお金をとって、また返さないで逃げるつもりでしょ!借金早く返してよ!!」初めて宮島を強い口調で責め立てました。その後、宮島と連絡は取れなくなりました。

数ヶ月後、宮島はB社の30万円と、C社の20万円を完済したという手紙を添えて、私の自宅へキャッシング会社のカードを送って来ました。念のためB社とC社に電話し、きちんと完済されているのを確認しました。借金はA社を残すのみとなりました。

B社とC社の借金が完済されたのに安心し、A社も返済してくれているんだろうなと思っていました。B社とC社の完済から半年ほど経った頃、突然A社から督促状が届いたのです。何かの間違いではないかとしか思えませんでした。

督促状が届いた日は、偶然私の母親が私のアパートに遊びに来ていました。集合ポストから郵便を取って来てくれたのはよかったのですが、A社からの手紙を見てしまったのです。「これって消費者金融からでしょ?借りてたの?内容は何て?」と母の質問責めが始まりました。

私はずっと胸にしまい込んでいた宮島のこと、借金のこと、その経緯を母親に話しました。宮島との経緯は話せても、母に宮島のことを詳しく聞かれると、何も答えられません。宮島の会社の住所や連絡先はおろか、本当は何者だったのかすら知らないということに気がついたのです。

なんでそんなよくわからない人を、何年も信じてしまったのだろうか。そしてなぜ、そんなことに気がつかなかったのだろう。催眠術にでもかけられていたような気分でした。

とにかく、宮島をこのまま放っておけないと思い、行きつけだったお店のマスターに、宮島の正体を教えてもらおうと電話をしました。マスターは、毎回現金払いする宮島には連絡先を聞く必要はなかったし、深い話もしたことはないから、役に立てる情報はなにもないとのことでした。パニックになり、宮島がお財布をプレゼントしていたスナックのママなら何かわかるかもと思い、お店を訪ねたら、お店がなくなっていました。

組織的な詐欺集団に騙されてしまったようでした。あのママへの誕生日プレゼントのブランドのお財布は、すごいなあと思わせるための小道具で、きっと使い回しだったのかもしれない。他にも騙された人がいたのかもしれない・・・頭が真っ白になりました。

 

ついに警察へ相談に出向くことに

母親とA社の窓口へ出向き50万円を返済しました。母親は、これは騙されたものなので調べて欲しいと訴えましたが、当然のことながら取り合ってもらえません。無人契約機の質問で、誰かに頼まれて手続きをしているかというものがあり、私は「いいえ」と答えているのです。

本当のことを言っても命を取られるわけではないと、今では思います。あの時、正直に答えていたら、宮島に騙されることもなかったのです。無知でバカだと思いました。

宮島を詐欺で訴えるつもりで警察に出向きました。取調室に通され、刑事課の刑事さんに今までの経緯を話し、宮島の写真と手紙を渡しました。刑事さんは、前科者を調べて、写真を解析をするいってと席を外しました。

20分くらい待った後、刑事さんが戻ってきました。刑事さんは、驚かないでくださいと前置きをし、宮島のことを本当は「朴」という北朝鮮国籍の男だというのです。前科もあり今も拘留されている、整形をして詐欺を繰り返していて、今はこんな顔だと全然見たことがないおじいさんの顔写真を見せられました。

信じられず、血の気が引く思いでした。そういえば、と、宮島と知り合った当初、宮島は食事中に急いで会社へ戻らねばならないと、電話でタクシーを呼び、行き先を聞かれてある地名を答えていたのを思い出したのです。その地名の場所には北朝鮮関係の機関がいくつもあるので、刑事さんの嘘のような話も納得できました。

被害届を出すか刑事さんに問われました。被害届を出すつもりで警察に出向いたわけですが、宮島はすでに逮捕されていましたし、当時は日本と北朝鮮の関係が緊張状態にありました。北朝鮮籍の人に対してこういった行動を起こすのは危険で控えたほうがいいのではないかと、それとなく県警の方に促され、被害届を出しませんでした。

 

詐欺師は常に獲物を探している

信頼できる友人関係であり、父と娘のような関係だと思っていたものが、詐欺のために作られたものだったというのは本当にショックでした。詐欺師は人の心を欺くことなんて、なんともないのだと知りました。そして、常に獲物を狙っているのです。

素直で疑うことを知らない人が狙われるのです。すごいと思わせ続けて、恩を着せ続け、ある時突然に騙すのです。すごいと思わせるためのお金も騙し取ったお金からなのでしょう。

刑事さんは至極当たり前のことをおっしゃいました。
「本当に自分で稼いだお金だったなら、毎日毎晩湯遊びのためにお金を使いまくるわけがないと思いませんか。」
自分のお金に対する観念の甘さも、宮島にはお見通しだったのでしょう。

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