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倒産したアパレルメーカーの倉庫にある商品をバッタ屋に売った話

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今回は「倒産したアパレルメーカーの倉庫にある全商品をバッタ屋に売った話」をご紹介いたします。

数年前の7月中旬、とある派遣会社を通じて、倉庫内作業のお仕事に行きました。作業員の人数は私含めて3名で、他の2名は派遣での仕事は本日がはじめてとのこと。

派遣会社から説明のあった作業内容は梱包・出荷・清掃等の倉庫内作業。
点呼係の私は、現地到着と同時に担当M氏の携帯に電話を入れます。到着したと伝えるとすぐにM氏が倉庫の中から声をかけて迎えてくれました。

M氏は作業現場となるアパレルメーカー倉庫の方ではなく、その会社に融資をしていた債権者の方だと派遣会社からは聞いていました。

M氏からも現場となる倉庫は、倒産したアパレルメーカーの倉庫だという簡単な説明があり、私達は1階部分の清掃を指示されました。

 

派遣のお仕事終わりに

約2時間ほどで清掃は終わり、次の指示を待っていると、今日はもうやる事がないから帰っていいよと、給料は定時で貰えるように派遣会社に話すからと、とてもラッキーな事が起こりました。

倉庫を出て最寄り駅へ向かい、何時間か喫茶店で時間を潰して、派遣会社から日払いで給料『9時間拘束の8時間作業で8000円(交通費込み)』を受け取ります。

その日の夜、自宅でボーっと当時の彼女と一緒にテレビをみていると、携帯電話に着信がありました。今朝倉庫に着いたら連絡するようにと聞いていたM氏の電話番号です。

本日はありがとうございました、と電話に出ると、

突然なんだけどさ、明日も来れないかな? 派遣会社に電話して依頼しても良いのだけど、もうこの時間だしね。3人で来てくれるなら、3人分の正規の派遣料金払うよ、派遣会社通さないから(ピンハネされないから)多く貰えるよね?日払いで払うよ!」とのこと。

予定が何もない私は、もちろん行けますと即答して、今朝の2人は連絡先を知らないので、別の人でもいいですか?と聞きました。

返答はOKとのことで、スタッフは男女どちらでも良いとのことでした。

登録していた派遣会社に頼んだ場合、実働8時間の作業で13500円(交通費込み)で、作業員の支払いが8000円(交通費込み)でしたから、普段より5000円ほど多く貰える計算となります。

 

近所のプラプラしてるおじさんを呼び…

自宅の近くに住む知り合いのEさん(ほぼ無職に近いおじさん)に声をかけて、9000円払うから明日一緒に仕事しませんか?車も出してくれたらもう1000円払いますというと、行くよと即答でした。

あと1名は同棲する彼女を連れて行く事に決めて、次の日の朝、コンビニの前でEさんに拾ってもらい現場に到着しました。着くなりM氏が私を倉庫の裏手に呼ぶので、彼女とEさんを入口に残して私は裏手へ向かいます。

M氏から45000円を渡されて、「3人分の給料、昼メシ代金込みだよ、給料をどんな分け方するかはそっちに任せるから、しばらくの間、毎日来れるかな?」と。

もちろん即答してお金を受け取りました。

やがて、M氏から私達3人に作業内容の説明や注意事項などがありました。

・今日と同じ待遇で、毎日必ず日払いで給料を払うので、可能な限り8月末くらいまで来て欲しい。

・M氏は今から関西に行くので、3人で作業を進めて欲しい。

・予定としては、この5階建の倉庫の商品を、8月末までに全て出荷したい。ある程度出来たら連絡くれればM氏が佐川急便を呼ぶと。

・明日以降はM氏が来られるかは、今はわからない、来られない様ならば、彼(私のこと)の口座に振り込むから、給料は帰りに彼から貰ってくれ。

・派遣会社にはお互いに内緒にしたい。(よく派遣法では、指揮命令者が必要と言われていますが、法律上では指揮命令者が不在でも問題はありません。ただ、M氏は不在が多く、派遣会社への本件の発注や依頼書の作成がとても面倒である。また、真夏ということもあり安全衛生面をどうするかということもあり、いっそ内緒にしたいと説明あり)

・倉庫の鍵はたえず施錠して、他の人が入れないようにして欲しい。

・たまに幽霊のような声が聞こえるから注意しろ。

 

他には熱中症に注意すること、怪我がないようにということ、商品を盗まないようになど、そんな説明を一通り終えると、すぐにM氏はこれから関西へ向かうとだけ言って出ていきました。

会社入口で見送った私達3人は、めっちゃラッキーやんけ!とテンションあがりまくりです。短期派遣労働者の私と彼女、ほとんど無職に近いEさんにとっては、棚ぼたで決まった気楽な継続仕事だからです。

あの人優しそうだけど、絶対怖い人だよなといいながらも、3人で笑いながら作業開始です。クライアントがたえずいる中での作業ではないので、タバコをやたら吸って休憩したり、すぐに座って休憩したりと、ダメダメ3人組丸出しの働き方です。

唯一不都合な事は、電気と水道が止まっているので、トイレは使えず、夕方近くになると少し暗いということ、クーラー、扇風機やエレベーターなどは、電気が止まっているので使えない状態でした。

トイレや水分補給の度にコンビニへ行くので、やたらとサボる事が多いのですが、8月末までに終わらせれば良いのならと比較的ゆっくり作業していました。明日からはポケットラジオを持ってこようと思いました。

ちなみに建物の内訳は、

1階は事務所と会議室、出荷用のスペース、
2階は子供服と下着など、
3階はレディース服とカバンなど、
4階はメンズ服とカバンなど、
5階は社長室とロッカー、休憩所、食堂など。

倉庫からコンビニやランチを食べる定食屋も近い。

 

次の日、なんと社長室の奥に隠し扉を発見

次の日、予想通りM氏は来られないため、私の口座に3人分の入金をしたと連絡があり、お昼休憩に銀行でおろして、Eさんの取り分10000円+食事代1000を渡しました。彼女の分は財布が私と同じなので、私の口座に入れたままですが、土日以外は毎日Eさんの分を除いた34000円が貯金となるので、彼女もホクホクでした。

そんなある日の作業中、Eさんから携帯が鳴り、すぐ5階へ来てくれと言われました。
え、5階?何も商品なんてないだろうと思いながら5階まで階段で登ると、Eさんが社長室の前でニヤニヤして立っていました。

ドアを開けるEさんは私にこういいました。

「社長室の奥に隠し扉を発見」

マジすか!と言いながら扉の中を覗くと、狭い倉庫になっています。特に金目のものはありませんでしたが、Eさんがニヤニヤしていた理由がわかると、マジくだらないなぁ、階段なのにワザワザ呼び出すなよと思いました。

そこには、Eさんが大好きだったモーニング娘。のCDやポスターがまとめて段ボール箱に入っていただけの話でした。商品じゃないから貰ってもいいよなとEさんはニヤニヤしています。

しかし、その段ボールの後ろに、おそらく社員旅行の旅館で記念撮影したと思われる集合写真や、会社理念が書かれた額縁に入った達筆の書、健康診断のお知らせというプリントや、社員が使っていたであろうマグカップや急須など、見ていると少し切ない気分になる物がたくさん段ボールに入っていました。

壁のカレンダーを見ると、倒産による出勤停止時期もわかりますし、社長は夜逃げだったのかなとか、勝手に切ない想像をたくさんしてしまいます。

私達は債権者に頼まれて作業しており、通常よりも高い給料で笑いながら働いている。でもこの写真に写る元従業員達は、ある日会社が倒産したんだよな、どんな顔して家族に話したのかなと、とても切ない気分になりながら自宅に戻りました。

それから数日後の朝、M氏から私の携帯に電話が入ります。

 

Mさんから突然の連絡

「お願いしたい事がある、タクシーを使って良いので、君だけ向かって欲しい会社がある」

向かう先の住所をメモしながら聞くと、別の倒産した衣料メーカー倉庫で、本日、競売が行われる、各階のおおよその商品数を電話で教えて欲しい、それを聞いたうえでこちらから金額をいうので、来ている弁護士に金額を伝えて欲しいとのこと。

私は倉庫からタクシーに乗り、時間に間に合うように向かいます。入口には弁護士の男性が立っており、その周りにはワルそうな厳つい男性が何人かいました。

弁護士の方に、◯◯のM氏の代理で来ましたと申告して、建物の中へ入ります。見るからに悪そうな風貌の男性が、M氏はどうした?と話かけて来ました。私は代理なので詳しくわかりませんが、今日は来れないそうですと言うと、へぇの一言だけでした。

倉庫内の見学の時間になり、皆それぞれ倉庫内の商品をチェックしています。私もM氏と電話で話ながら、聞かれた商品のおおよその数や、商品規模、物の大きさなど、質問の答えを伝えていくと、いったん電話が終了して、再度すぐに電話が鳴りました。

「これから弁護士に用紙を貰って、今からいう金額を書いて渡してください。渡したら帰っていいよ」

私は電話が終わると弁護士のところへ行き、言われた金額を記入して、何かあればM氏の携帯へと伝えて、M氏の携帯番号を用紙に記入しました。

後日聞いたところでは、競り落とすことは出来なかったそうですが、Eさん達が待つ倉庫へ向かうタクシーの中では、競売に参加したという貴重な経験から、やたらテンションが上がっていました。

8月下旬に入り、ほとんどの商品を運び出した頃、M氏が久々に倉庫に現れ、「かなり減ってきたな、みんなありがとう、うちの社長に内緒で欲しいもの何かあげるけど、何かないか」と聞かれて、3人ともそれぞれ洋服を何着か貰いました。ちなみに私はジャケットとコート2着と靴下や下着類などを貰いました。

8月の最終日に、全ての荷物を佐川急便に乗せ終わり、各フロアの掃除をしていると、M氏から9月末に別の場所になるがお願いしたいと申し出がありました。私達は3人とも即答で参加希望と答えました。結果的に5回ほど同じ条件で倒産企業の後片付けに参加することとなります。

通常であれば、7月~8月末までの間で、派遣会社を通じて参加していた場合、約30日間で240000円の給料ですが、派遣会社のマージンを取られないぶんで計算すると、1日あたり34000円で、合計すると102万円!

【1日あたり】
15000(私の給料)+ 15000 (彼女の給料)+ 4000 (Eさんピンハネ)= 34000円

【期間全日】
34000(私と彼女の給料+Eさんピンハネ金)× 30日 =102万円

めちゃくちゃラッキーな案件でした。

本件で経験したことで勉強になった事や感じた事がいくつかあります。

・倒産企業の片付けには、元従業員達の生活背景がビビッドに目に入り、とても切ない気分になる。

・バッタ屋やリサイクルショップに流れた物は商品だけでなく、ストーブやコピー機から、鉛筆削りまで何でも持っていく。そのため、全ての商品などを出し切ると、倉庫には、ゴミ袋に入ったゴミや書類と、畳んだ段ボールやガムテープとカッター、後は明らかに汚れがあるなど粗大ゴミ候補というものくらいしか残らない。

・休憩室やロッカールームには、元従業員の私物と思われる物もたくさんあるが、それもすべて運び出す。

・他の同業者の風貌はやたら怖い、一般人では無いような気がする。

・ネットで倒産したアパレル企業を調べると、かなり人気のあるブランドで、有名なメーカーであったということ。

結局、幽霊さわぎも特になく、休憩室や食堂などにあるレクリエーションのポスターや社員旅行の記念撮影写真など、「個」の顔が見えると本当に切ない気持ちになります。

Eさんに支払っていた金額について、当時は何とも思いませでしたが、今にして思うとボリすぎたなと反省です。

以上が、なかなか経験出来ない世界を垣間見た体験でした。

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